【授業案】2限目|変化の時代の働き方を考える

>>1限目|働き方 の続きです

1限で見てきたように、現在はちょうど働き方が変化している時期です。
なので、「今までの働き方」と「これからの働き方」の特徴を把握しておこうと思います。

今まで これから
・家族のような会社
→働き手は会社のために、会社は働き手のために
・終身雇用、年功序列
・働き手は会社に所属する意識
・長時間、一緒にいることが一番
→ダラダラと仕事をすることに
・ライフステージに合わせた給料
・働き手は問題を起こさなければ辞めさせられることはない
・会社と個人の契約関係
→お互いに条件が合えば契約成立(対等な契約関係)
・会社は会社自身のために、働き手は働き手自身のために
・仕事とプライベートを分ける
・労働時間は関係なく、成果に対して給料が出る
→短時間、集中して仕事する
・個人事業者や副業が増える
・流動性の高い非正規社員の増加
・同一労働同一賃金

ポイント

今は変化の時期。
働き手を家族のように扱う会社もあれば、契約関係と捉える会社もある。
家族型の長時間労働することを求められる会社で、常に集中してると精神も身体ももたない。(集中して仕事をこなすと、どんどん追加の仕事が増える)
実際、自分が病気になったのは、これも要因になっている。
これから就職するなら、会社の性質を見極める必要がある。
とはいっても、「家族のように働き手の生活を考える」という会社は減っている傾向にあるので、働き手側は“契約”と考える方が無難かもしれない。

さて。
これからの時代は、会社に所属するのではなく、会社と契約して働く働き方が増えるといいました。
そこで、問題です。
グループで話して、できるだけたくさん紙に書き出してみてください。

Q、会社で働くことを、会社と個人の契約と見た場合、なにを意識して働くべきでしょうか??

・十分な価値を提供する
→「提供価値<給料」では泥棒と変わらない。Win-Winを考えて働こう
・自分が世の中にどんな価値を提供しているか意識する
→会社が変わっても価値を生み出せるようにスキルアップ
・会社の責任と個人の責任を分けて考える
・会社は生活を保障してくれる場所ではないという意識を持つ
・権利を主張する
→有給休暇など契約に含まれる権利ははっきりと主張する
・プライベートでは、可能な限り借金やローンを組まない
→ローンの返済があると、不満があっても同じ会社にしがみつかなくてはいけない

 

各グループ発表してもらいましたが、少し難しかったですかね。
実は、他にもこんなにたくさんポイントがありました。
では、今度は具体例から、働き方について考えて生きましょう。

Q、コンビニの店長が、アルバイトに向かってこんなセリフを言いました。何がおかしいでしょうか??

「お前らバイトが年末年始休むせいで俺はぶっ倒れるまで働かなきゃいけないじゃないか!!」

1、責任は誰にあるのか

年末年始に人が足りない責任は店長にあります。
店長は経営の対価(売り上げにより変化)により給料をもらっているからです。
アルバイトは、時間当たりの労働に対する対価としての給料しかもらっていません。

2、働いて欲しければ店長はどうすべきか

物の値段は、需要と供給で決まります。
働き手が足りないのであれば「給料を倍にする」などの提案をすべきです。
バイトが年末年始に働かないのは、「割に合わないから」です。

3、ぶっ倒れるまで働かなきゃいけないのはナゼか

本来、人手が足りないのであれば、営業を休めばいいはずです。
しかし、休みにできないのは、本部とそういう契約をしているから。(もしくは売り上げのため)
契約をした側の責任です。

ポイント

アルバイトとコンビニの関係はただの労働時間に対して給料を支払うという契約です。
「あなたを家族のように面倒見ます」というようなものではありません。
ならば、家族のような持ちつ持たれつの関係を一方的に求められたら、しっかり断って大丈夫です。
ただ、このことを分かった上で、「会社(コンビニ)に貢献したい」というのであれば、それはそれで充分アリです。

 


1限目は、変化するこれからの社会と働き方について。
2限目は、会社と働き手の関係について、具体的に考えてきました。
次の時間は、公務員、正社員、派遣社員、アルバイト、個人事業主の違いについてやっていきます。

まとめ

箇条書きのところはホントは全て生徒に考えさせて発表してもらいたいところ。
ただ、それはたぶん大学生でも難しいと思います。
なので、パワーポイントかなにかを作って、説明しようかと思います。(※パワポのデータが欲しい人はお問い合わせください)

ちなみに、この働き方については宗教的な考え方も大きく関わっていて、キリスト教の聖書では「神と交渉し契約する」「労働は罰である」という概念があるが、日本古来の宗教にはもともとそのような概念がありません。
また、キリスト教系では個人を重視する傾向にありますが、仏教など日本の宗教観は「縁起」と呼ばれるような関係性を重視する傾向があります。
これはそのまま、「個性をみつけて適正のある職業に就く」と「勤めた先で必要とされることをやる」という考え方につながっています。
どちらが良いか分かりませんが、確実にキリスト教系の精神での働き方を求められる時代になっていくようです。

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