親が熱心に教えても、子どもは数学ができるようにならない!!

私が持っている教員免許は、中学高校の保健体育と小学校の第一種。
なのに、得意科目は数学のため、今まで200人以上に数学を教えてきた。
家庭教師だけでも5人以上に教えてきた。
そして気づいた。
「数学が苦手な子どもは、そもそも頭を使っていない!!」という事実に。

以前に教えていた生徒は、数学解くときに次のような様子でした。

・問題を解くときによく喋る。「え~と、カッコをはずすときは掛け算だから~」と。
・途中式をあまり書かない
・集中力が足りなくて、数学を5分も解けば、スピードが遅くなる
・解法を教えると一時的にできるようになるが、すぐ忘れる
・質問をすると「掛け算・・・、いや割り算かなぁ」と言う
・「なんでそうやったの?」と聞いても答えられない

さて。
お宅のお子さんはどうでしょうか?
同じような様子は見られませんか?
実は、この子の場合、数学ができない理由は親にあります。

なぜこの子がこのような問題をしているか、ちょっと考えてみてください。

・・・。

この子が宿題をやるときには、いつもそばに母親がいました。
そして、間違えたらすぐに訂正できるようにスタンバイしていました。
子どもが間違った途中式を書くと、すぐに親が口を出します。
「ここ違うよ!○○だから、こうなるでしょ!?」と。
子どもはすぐに消しゴムで直し、正しい解答を書き始めます。

一見、効率がいいやり方に見えますが、子どもの心情を考えてみるとこうなります。

ん~、分からない問題がでてきた。
子「こうかなぁ~?」カキカキ
>親「そこ間違ってるよ。こうやって解くんだよ」
子「あ~、そうやってやるんだ。あれ、次も分からない。とりあえず足し算してみるか!」
>親「そこ違う。ここは掛け算だよ。」
子「あ~、そうなんだ。ぅん~、この問題は・・・」
>親「それ違う。割る数と割られる数が逆」
子「ふ~ん、そういうものなのか」

子どもはここから何を学ぶでしょうか?
学ぶことは一つ。
「なんとなく答えておけば、間違っているときに直してくれる」
これだけ。
だから、丁寧に考えなくなります。
コレが数年続くと、だんだん親が子どものできなさ加減にイライラしてきます。
そして親は「前にも言ったでしょ!!」と声を荒げます。
でも、子どもは今まで”なんとなく”割ったり掛けたりしていたため、どう計算していいか分かりません。
そこで、「ん~、掛ける~?いや、割り算かなぁ~?」と言いながら、親の反応を見ます。
そして親の顔色を見たり、「そうだよ!割り算だよ!!」という言葉に反応して問題を解き進めていきます。

こうやって心理状況を読み解けば、子どもの様子が上記のようになった理由が分かります。

・喋りながら問題を解くのは、考えているフリをしつつ、親の反応で答えを導き出すため。
・途中式を書かないのは、訂正される回数を減らすため。
・一時的にできてもすぐに忘れるのは、ちゃんと考えてないから。
・「なんで?」の質問に答えられないのは理解していないから。(答える場合も、以前親が言った言葉をそのまま繰り返すことが多い)
・集中力が続かないのではなく、もともと集中できるレベルまでいっていない

 

 

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