ネフローゼ症候群とIgA腎症の合併症。病気と10年どう向き合ってきたか。

2010年9月。
小学校の教員になって半年たったころ、体が急にむくみ始めた。
足のむくみを感じてから5日も経つ頃には、朝起きると顔が別人のようにむくんでいた。
学校に行くと、児童から「先生、朝と帰りの顔が違う」といわれるほどむくみが酷くなった。
体重は1週間で10キロ以上増えた。
全て水分だったから、常に皮膚が引っ張られる痛みがあった。

病院に行ったら、即入院。
お医者さんが目の前で、「ベッドを急いで用意して」と看護師に告げた。
そんなに重症なのか!!と思いながら、明日からの授業の心配をした。
そして、申し訳なさ一杯に、上司に連絡を入れた。

入院したら、薬と点滴。
その日の夜に大量の尿がでた。
看護師さんが何回も尿バッグを取り替えていた。
そういえば、最近、おしっこがほとんど出ていなかった。
汗で全部出たのかと思っていたけど、全部からだに溜まっていたみたいだ。
あとから分かったことだが、そのとき体にはこんなことが起きていたみたいだ。

腎臓が尿をこしとるとき、たんぱく質が漏れ出る
⇒たんぱく質がこしとる穴を広げる
⇒余計にたんぱく質が漏れ出る
⇒血管の浸透圧が下がり、血管内の水分が外に出る
⇒むくむ
⇒血液が流れなくなり、尿が作られなくなる
⇒毒素が溜まり、臓器の機能も低下する

だから、入院してすぐにアルブミンを点滴して血液を通し、溜まっていた水分を尿として取り出したみたいだった。

入院後は腎生検をして、微少変化型ネフローゼ症候群とIgA腎症の合併症だという診断をされた。
そして、ステロイド(プレドニン)を1日40mgずつ飲み始めた。

ステロイドは、免疫抑制剤とも呼ばれていて、腎臓の炎症を抑えるのに役立ったみたいだ。
ただ、覚醒作用もあって、夜は眠れなくなった。
せっかくだから、大量に本を読んだ。
病室には立派な本棚ができてしまった笑

ステロイドを服用している間は、感染症にかかりやすく、
感染症にかかると再発しやすいらしいため、病院で1か月療養した。
無事退院して1か月自宅療養をし、今度は扁桃腺をとる手術をした。
扁桃腺から菌が入って悪影響を及ぼすことがあるらしい。
12月24日は病院で過ごすこととなったが、イベントはなにも起きなかった。

退院してさらに1か月の自宅療養。
2月に仕事復帰。
が、わずか3週間で再発した。
再度入院し、仕事は辞めた。
「なかなか頑固な病気みたいだから薬を増やそう」ということで、ステロイドに加えシクロスポリン(ネオーラル)100mg/日を服用することになった。

1か月の入院を終え、実家で療養することになった。
せっかくだから勉強でもしとこうと思って、本を読んだりセミナーに参加したりした。
お医者さんが言うには、「最終的に薬はゼロにできる」らしいから、楽観していた。
しかし、1年たっても2年たっても薬はなかなか減らない。
ステロイド10mg/日、シクロスポリン100mgのところで薬が増えたり減ったりを繰り返した。
今思えば、このタイミングでもっと対策しておくべきだった。(対策はうしろに記述)

5年経ち、病気と一生付き合う覚悟を決めた。
そして、体を慣らすためにバイトを始めた。
2年間のバイトの末、今は工場で正社員として働いている。
「体調のことがあるから、無理はできない」と面接で伝えてあるから、ときどき休ませてもらっていながらなんとか働いている。
ついでに、最近結婚もした笑

自分でできる病気対策

病気になって数年たったころ、自分で何とかしようと考え始めた。
そこで調べ始めたら、民間療法が大量に出てきた。
免疫療法とかデトックスとか、それはもう大量に。
「薬を真面目に飲むほど悪くなる」なんて書いてある本もあったから、お医者さんに内緒で減らした。
そしたら再発した。
シクロスポリンが100mgから150mgになった。
ステロイドは、一気に大量に減らしてはいけない。
これは間違いない。

インフルエンザの予防接種について「できれば受けたほうが良い」と医者に言われた。
「そのくらいの言い方なら、受けなくても良いか」と思って、受けなかったらインフルエンザにかかった。
病気が悪化して、薬が増えた。
予防接種は絶対に受けたほうが良い!!

お医者さんに「食事制限はないし、アルコールも飲んでいい」といわれたから、普通に飲んだ。
すぐに症状として出なかったが、体感では、ほぼ間違いなくアルコールはアウトだった。
飲んでも、週に1杯までにすべきだ。

仕事を辞めてから2年間は、毎日のように仕事の夢を見た。
歯根がつぶれるほど歯ぎしりもしていた(らしい)。
上司が若干ヒステリックなタイプだったため、それに慣れていなかった自分は相当ストレスを感じていたみたいだ。
5年経ってから思い返してみてようやく気付いたことだけど。
仕事を辞めたのは正解だった。

3年目からの夢は、ブレーキできない車に乗り続けているものだった。
自分でコントロールできずに、時間だけが過ぎていく焦りを表していたのだと思う。
もっと早く、病気と付き合って新しい人生を生きる覚悟を決めるべきだった。

健康を考えて、自宅でヨガを始めた。
健康になるヨーガ [DVD]を使って、体の調子を確認した。(講師が独特すぎて、生理的に受け付けない人が多いと思う)
血の巡りとコリを感じられるようになった。
だいぶ筋肉がこわばっていたことと、血液が脳に偏っていたことを実感した。(あくまで個人の見解です)
それと、「横になって1分間深呼吸をする」だけで、体の筋肉すべてをリラックスさせるスキルも身に付いた。
いろいろ調べて試したが、どうやら自律神経も病気に大きく関わっているようだった。

 

個人的な感覚でデータはないが、おそらく今回の病気はこういうことだったと思う。

2010年9月。
運動会に成績付け。
体育専任の小学校教員だった自分にとっては、物凄く忙しい時期だった。
家に帰るのは、毎日22時を過ぎ、休日も仕事のことを考え続けた。
上司に相談しても「自分で考えろ」と言われたからその通りやったら、「そんなんじゃダメだ」と言われ、精神的にも肉体的にも疲労した。
ただ、若かったから交感神経がばっちり働いて、何とか忙しい時期を乗り切った。
交感神経の働きで、内臓への血液は減り、それ以外の必要なところに血液が流れた。

運動会も成績付けも終わり、ほっと一息。
一気に副交感神経が優位になった。
血液はようやく内臓へ流れた。
血管は一気に広がった。
自分の中で一番弱かったのは腎臓だったらしく、そこに症状が現れた。
即、入院した。
弱いのが脳だったら鬱か何かになっていたと思うから、先に腎臓が悲鳴を上げてくれて、ある意味助かったのかもしれない。

投薬治療を始めても、抱えたストレスと自律神経の乱れが治るわけではない。
特に自律神経は「交感神経が活発⇒筋肉が緊張」といわれるが、おそらく逆もある。(科学的なデータは知らない)
「筋肉のコリが常態化⇒交感神経優位⇒ストレス」が起こり、なかなか体が回復しなかったと思われる。

そうこうしているうちに、数年たち、薬のある生活に体が適応。
薬がないと正常な状態を維持できない体になり、10年たった今でも薬を飲み続けている。
だから、病気になって1~2年が治るかどうかの分かれ目だった。

 

自分の体験談は以上ですが、これが誰かの役に立てば幸いです。
何か相談等あれば、コメントかお問い合わせで言っていただければお答えします。(時間がかかるかもしれませんが)

同じように、腎臓の病気で苦しむ方。
まぁ、お互いほどほどに頑張って、無理やりにでも人生を楽しみましょう♪

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • […] 病気についてしっかり書いたのは、この記事くらい(⇒微少変化型ネフローゼとの10年間) それまでは、完全に回復を目指していたので、あまりブログで触れてきませんでした。 でも、「せっかく」ほかの人が経験してないようなことをしてるのだから、これからは積極的に紹介していこうと思います。 […]

  • 80 yaşındaki Raymond, ailesinin tüm itirazlarına rağmen, tüm belgeleri hazırlar ve ötenazi için Oregon’a gitmeye karar verir. Raymond’ı Oregon’a götürmeyi kabul eden tek kişi damadı Brian olur. Birlikte hayata tutunmak için nedenler arayacakları bir yolculuğa çıkarlar. Kris Rohal

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