座学で高校体育・授業案 ⑩~スポーツの歴史的発展と変容~

最初に少し質問です。

運動やスポーツとの関わり方はどんなものがありますか?

小学生の時は鬼ごっこやドッチボールをやったと思いますし、中学校で運動部に入っていた人もいると思います。

また、家ではテレビのニュースで誰かが金メダルを取ったのを見たりすると思います。

先生は、スポーツ教室で小学生にスポーツを教えていたりもします。

他にもいろいろな関わり方があると思うので、「する」「見る」「支える」に分けて、自分なりの考えを書いてみてください。

・・・

教科書では、「する」「見る」「支える」が書かれていますが、一応もう一つの関わり方。

運動やスポーツを「知る」というテーマでやってきます。

今回は、スポーツの歴史的発展と変容です。

スポーツとはなにか。

なぜ人は、家でだらだらするのではなく、スポーツをするのか。

そのあたりを、スポーツの誕生と変化を追って、考えていきたいと思います。

スポーツの始まりは、じゃれあいのようなものだと言われています。

猫がじゃれあうときに、本気噛みついたり引っかいたりすると、お互いにケガしたり、場合によっては死んでしまったりしまいます。

なので、相手をケガさせないように暗黙のルールが存在しています。

こういった、約束行動をメタコミュニケーションといいます。

メタコミュニケーションを調べると、言葉を超えたコミュニケーションとか、ジェスチャーや鳴き声などの言語外の行動も含まれるようです。

これ、実は子どもが使うの上手くて、例えばボール当てっこ。

ボールを持ってる子が他の子に軽くぶつける。

すると、相手が反応する。

やり返してくる可能性もあれば、避けて笑みを浮かべる場合もある。

言葉がなくても遊びが成立する。

そこには、言葉以外のコミュニケーションがたくさん含まれている。

そこで一つ質問。

言葉以外にもコミュニケーションの手段はたくさんあります。

目を合わせる、目を背ける、うなずく、笑顔を見せるなど。

これらを使うことで、コミュニケーションをより円滑に行うことができます。

発信するだけでなく、「今話しかけて大丈夫かな?」と相手の様子をうかがうのもメタコミュニケーションです。

さて。

じゃれあいのような行動が、スポーツのはじまりだと話しましたが、
スポーツは、すでに狩りをしていた時代から存在していました。

人間には、動きたいとか遊びたいという本能的な欲求があります。

小学生なんか見ていると、やたらと滑り台とか鬼ごっこを繰り返していたりしますね。

狩りの時代は、1日あたりの労働時間がたったの2~3時間で、残り時間は遊んでいたみたいです。

とはいっても、滑り台はありません。

なので、何をして遊んでいたと思いますか?

狩りをしていた時代にできることと言えば、
「やりがどこまで飛ぶか競争しようぜ」とか、
「水切りどれくらいできるかな」とか、
「あの段差ジャンプで越えられる?」とか、そんなもの。

でも、それが今では競技になっています。

たとえば。

原始的な遊びから、様々なスポーツが生まれたが、

文明が発達すると労働や遊びからさらに多くのスポーツが生まれました。

インドでは2000年前、猛獣を数人で囲み素手でとらえるという狩りがあった。

それをスポーツにしたのがカバディ。

町の中の運河を棒を使って飛び越えるという文化から生まれた。

さて、ここで質問。

この写真は何をしているもの?

・・・

14世紀ロンドンの民族フットボールの姿になります。

なんと、スポーツで死傷者が続出する事態に。

しかも、死傷者が大勢出るにもかかわらず、参加者が減らない。

それだけ、みんなスポーツに夢中というのも驚きです。

で、そんな事態に禁止令が発令されました。

19世紀になると、イギリスのパブリックスクールではルールを作り、民族フットボールを秩序のあるスポーツに変えました。

しかし、地域によって微妙にルールが違いました。

1894年のオリンピックをきっかけに、国際スポーツが広がる中。

日本はどうだったかというと。

日本にスポーツの概念が入ってきたのは明治時代でした。

明治時代以前は、祭礼行事としてのスポーツだったが、「競技、鍛える、教育」の目的でスポーツが取り入れられるようになりました。

日本のスポーツを学ぶ上で、超重要がいます。

それが嘉納治五郎。

柔道の創始者で日本の体育の父でもあります。

当時、古くさいと言われていた柔術を、大勢に受け入れられるよう柔道に作り替えます。

その後、東京オリンピック初招致を果たしました。

今日の話で、教科書の言葉の背景が分かったかと思います。

ちなみに、文科省では、スポーツを以下のように紹介しています。

いろいろ考えはあると思いますが、その話はまた別の機会に。

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