会社の同僚のオススメの本。
『MOMENT』(本多孝好)の姉妹本である『WILL』を読みました。
中身は、小さな葬儀屋家業を継いだ29歳の女性が、おせっかいを焼き、様々な人間模様に遭遇する話。
ここからは、ネタばれになるので、本を読む予定の人は見ないほうが良いかもしれません。
文句は一切受け付けません。
大好きなエピソード「爪痕」
ネタバレになるから読むなといったが、実はすでにデカデカとネタバレを含んでいます。
そう。
タイトルにある「その怒りってホントに友人のため??」のところ。(文句は一切受け付けませんww)
簡単に言うと内容はこんな感じです。
・父親の葬儀をあげた家族が、急に嫌がらせを受ける →しかし、嫌がらせをしている人物を調べると、一ヶ月前に自殺しているという →では、いったい誰が自殺した人物を使って嫌がらせをしているのか? →なんと、自殺した人物と数週間話した程度の友人“橋口”だった →友人の復讐にしては、嫌がらせにエネルギーが込められすぎている →なぜ、それほどのエネルギーを込めたのか? →橋口は自殺した人物に共感したのでも同情したのでもなく、同調していた →友人の復讐ではなく、独り身である橋口の不安や脅えが、怒りとなって爆発しただけだった |
八つ当たりでしかないのに嫌いになれない橋口という人物
このエピソードに心惹かれたのは、自分の感情がこれに重なるし、この感情を抱えこじらせている友人がいるからだと思う。
私はまだ30歳だが、それでも独り身というのは言いようもない不安や脅えを感じさせる。
けれど、この感情のやり場なんてない。
今の生活に不自由はしていないけど、不安は常につきまとう。
自分はいつか誰からも相手にされなくなり、孤独に死んでいくんだという不安が。
『WILL』の主人公である森野も、この心に通じるところがあった。
そして、洒落た言い回しで、橋口を励まし、去っていく。
「 」
この言葉はなかなか言えない。
私も、こんな気の利いた返しができればと思うが、あと30年経っても難しいと思う。
その話と言葉については、読んでのお楽しみということで。
人の死と、多様な感情に触れたい人は、『WILL』という小説、オススメです♪
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