寛容さを失い、完璧を押し付けあう社会。
増え続けるうつ病患者と自殺率。
たびたび起こる凶悪犯罪。
日本は今、深刻な道徳問題に直面している。
現日本政府が取った解決策は、道徳教育を教科として扱うこと。
こうして道徳心の身についていない教員による、無謀な道徳教育がはじまった。
しかし、教える教員に道徳心がないのだから、この試みが上手くいくとは思えない。
というか、おそらく文科省も道徳についてイマイチ理解していないだろう。
幸いなことにエヴァンゲリオンの登場人物達が道徳教育の道筋を示してくれている。
よってここに【人物補完計画】を提唱し、道徳教育の根幹とする。
ACT1. 全ての子ともたちに”ありがとう”
幼稚園くらいの子どもは親の真似事をすることが多い。
これは、人間に本来備わっている「誰かのために働いて喜んで欲しい」という欲求の表れだ。
けれど現代の教育はそれを良しとしない。
「手伝ってくれてありがとう」の前に、「もっと勉強しなさい」がきてしまう。
でも、人間の本質を考えると、自分のために動くより誰かのために動くときの方が力を発揮できる。
ならば、失われた”ありがとう”を取り戻そうではないか。
”ありがとう”と言われることが増えれば、関係性の中で自我を確立でき、精神的にも安定できるはずだ。
ACT2. 私には何もないもの
綾波レイの言った名セリフ。
関係性の中で手に入れた自分。
その要素を、一つずつ取り除いたら何が残るか。
友人、近所のおじいちゃんおばあちゃん、兄弟、親。
自分を形成する関係性を取り払うことで、自分一人では不安定で何も持っていないということが分かる。
自分を形作る肉体さえも、微生物との関係性でしかないことを理解できれば、周囲に感謝の心が芽生える。
ACT3. あんたバカァ?
惣流アスカラングレーの口癖。
自分がバカであることを知るために、彼女の言葉は大きな助けになる。
ソクラテスの残した「無知の知」よりも偉大な言葉だ。
完璧な人間なんていないし、人間が認識できることにも限界がある。
自分のバカさ加減を受け入れて、笑い飛ばせる力を身につけよう。
そうすれば、精神はだいぶ安定するはずだ。
ACT4. 生と死は僕にとって等価値なんだよ
さすが渚カヲル様です。
人間なら誰でも死の恐怖を持っている。
だから、それを直視できなくて、生にばかり執着する。
でも、生と死は表裏一体。
死と正面から向き合ってこそ、どう生きるべきか見えてくる。
武士道にある「武士は死ぬことと見つけたり」もそれを言っている。
ACT5. 誰かのためじゃない 自分の願いのために
亀の甲より年の功。葛城ミサト姉さんのセリフ。
関係性から自我を見つけ出したのに、今度は関係性を取り外す。
現代の日本人は宗教心が薄れ、そこにお金の力と、他者の視線が入ってきた。
行動基準となっているのは、自分の心ではなく、誰かの評価。
これでは精神が磨り減るばかりだ。
自分自身の行動の軸を、他人から自分に取り戻すため、ミサト姉さんの言葉を胸に刻もう。
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