ボランティアを集めたいなら、まず自分達が無償で働け!!

「ボランティアが集まらなくて困っている」
そんな悩みを目にするようになりました。
「ボランティアを集める方法」
そんなセミナーまで開催されたりしています。

つい先日もこんな記事を見つけました。

スポーツ庁と文部科学省は26日、2020年東京五輪・パラリンピックの期間中にボランティアに参加しやすいように全国の大学と高等専門学校に授業や試験期間を繰り上げるなど柔軟な対応を求める通知を出した。
(毎日新聞)

オリンピックを開催するには、大量の人手が必要になる。
しかし、費用はかけられない。
宿泊費や交通費は、ボランティアする人に負担してもらうしかない。
そんなことを考えていたら、全然ボランティアが集まらなそうで困った。
なら、大学生がボランティア経験をつめるように、授業予定を変えよう!!

上の記事は、こんな発想で出された通知でしょう。
でもこれって言い換えるとこ、こういうことではないでしょうか?

経済のためにオリンピックを開催することになった。
それに関係している企業にはお金を回してあげることができる。
これで、一部の人たちは儲かるね♪良かった良かった!
あ、でも足りない労働力の分は、”ボランティア”という名の無償で働く労働者を使おう。

これでは、人が集まるわけがありません!!
だって、「自分達が儲けるために、タダ働きしてね!」って言ってるんだから!

人が集まるボランティアと集まらないボランティア

オリンピックのボランティアに人が集まらない理由は単純。
困っていない人のために働かされるから。
別の誰かの利益のために、タダ働きさせられるから。

では、人が集まるボランティアとはなんなのか。

それは、目の前に困っている人がいること。
誰かが道端で倒れていたら、ほとんどの人が無償で声をかけて介抱してあげるでしょう。
同じように、災害で家が土に埋もれてしまったら、土砂を取り除くのを手伝ってあげたくなるでしょう。
これらは、本人の力量の範囲外で起きた困り事に対して、「助けてあげたい」と思うから、ボランティアが成り立つのです。

ちなみに、もう一つボランティアが集まる方法があります。
それは、ボランティアに金銭以外の価値を提供すること。
スキルアップや、仲間との楽しい思い出など。
そのボランティアをすることでしか得られないものを提供することです。
ただ、これは、ボランティアという名前をしていますが、”無償”労働とは違います。

「困っている人を助けたい」というボランティアと、「金銭以外の価値を受け取れるからやりたい」というボランティア。
自治体も政治家もこれをゴチャ混ぜにして勘違いしているから、おかしなイベントが増え続けるし、ボランティア集めに苦労しているのです。
で、行き詰ってしまい結局、”教育”という名の都合のいい言葉で、学生に無償労働させる。

そんなにボランティアを集めたいなら、まずはお前らが無償で働け!
正当な労働には正当な対価を払え!
無知な若者から搾取するな!

ボランティアの記事を見るたび、そんな怒りを覚えつつ、今日もゆったり生きています。

 

p.s.
日本では「ボランティア」という言葉が「無償奉仕」という意味に挿げ替えられて使われているので、記事中はその意味合いで「ボランティア」という言葉を使いました。
ただ、本来のボランティアは「志願者」や「義勇兵」という意味で無償を絶対条件としません。
有償のボランティアも存在します。

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